真岡市観光の玄関口「久保記念観光文化交流館」(真岡市)

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  • 歴史・文化・自然

2024年1月19日

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「真岡市観光のおすすめスポットを教えてください」というようなお問合せを、実はよくいただきます。

真岡に生まれ、長年真岡に住んできた私ですが、正直、「真岡で観光?」というのはいまだ奥深いテーマであります。

さて、そんな「真岡で観光」の取っ掛かりの施設を、今日はご紹介したいと思います。

真岡の市街地にある観光拠点

真岡の市街地、荒町にある「久保記念観光文化交流館」。

かつて、美術評論家の久保貞次郎氏の邸宅であったことから「久保記念」の名を冠しています。

平成26年(2014年)10月にオープンしたこの記念館は、真岡市の観光拠点として現在活用されており、5つの建物群で構成されています。

一番道路ぎわの「久保記念館」は、レトロな歪み硝子の引戸を開けると最初に立派なカウンターが目に入ります。

明治40年に建てられたこの建物は、かつて「日本銀行宇都宮代理店真岡出張所真岡支金庫」として使われていたとされる建物で、現在は観光案内所の窓口になっています。

個人的なお勧め順路として、記念館の前にまずは「美術品展示館」へ。

案内所を背にして右手奥には、元々は米蔵として使われていた建物「美術品展示館」があります。

「久保アトリエ」と呼ばれた石蔵で、久保氏がコレクションした美術品を収蔵していた場所でもありました。

現在では、真岡市所蔵の「久保コレクション」や「宇佐美コレクション」などから作品を展示する「美術品展示館」となっています。

なお、美術品は企画展示として定期的に入れ替え展示されていますので、訪れるたび違う表情を見せてくれるようです。

十分に美術品を鑑賞してから、再び「久保記念館」へと足を向けます。

靴を脱いで上がり内部を見学することもでき、1階は休憩所として利用できるサロンや真岡木綿製品の展示室が、箪笥階段を上ると、2階には「久保資料室」が。

美術品展示館と資料室を合わせて見る事で、久保氏の活動や功績をより深く読み取ることができます。

「久保氏と久保記念館とは」を知っていただいたところで建物を出ると、施設敷地中央に大谷石のモニュメントがあります。

これはかつてあった「久保ギャラリー」と呼ばれた建物の名残。

帝国ホテル設計者であるフランク・ロイド・ライト博士の高弟であった遠藤新氏の設計により昭和18年に建築された建物でしたが、現在は取り壊され、構築物の一つであった暖炉を残すのみ。

久保記念観光文化交流館のシンボルとして中央の一角にたたずんでいます。

暖炉のモニュメントを正面に見て、左手奥へと進んで行くとあるのが「観光まちづくりセンター」。

明治12年に建てられた土蔵で、外壁の特徴的な模様は「なまこ壁」と呼ばれる様式。

主に真岡市観光まちづくりの担い手となる団体の活動拠点として活用されていて、日によってワークショップを体験できます。

基本的には自由に見学することもできて、2階の立派な梁は必見です!

まちづくりセンターを出て交流館入口の方へと進むと、右手に見えるのが「観光物産館」と「Trattoria COCORO」の建物。

物産館では、真岡の特産であるいちごを使った製品を中心に、箱菓子や工芸品、玩具などのお土産品を販売しています。

真岡市のイメージキャラクター「もおかぴょん」と「コットベリー」のグッズも販売していますよ。

そして物産館のすぐ奥には、フレンチベースのイタリアンが自慢のレストラン。

このCOCOROの建物こそが、久保貞次郎氏の邸宅だった建造物でもあります。

特徴的なレトロモダンなガラス窓が印象的。外観もさることながら、もちろんシェフの腕前は一流で、とても美味しい料理が堪能できます。

そんな感じで様々な魅力を楽しめる「久保記念観光文化交流館」。

常設の展示の他に、季節ごとのイベントもお楽しみ。

クリスマスに合わせて12月にはライトアップを楽しめる「久保邸イルミネーション」がスタート。

「久保邸クリスマス」では暖かな汁ものの競演「汁フェス」も開催。

年が明けて、3月にはひな祭り、5月にはこいのぼりのイベントも開催されます。

そして7月、真岡の夏祭りが終わると、10月には周年イベント「久保邸ハロウィン」がやってきます。

スタッフの仮装やイベント内企画「貞次郎さんのカレーフェスタ」も毎年大好評です。

さて、話は少し戻りまして、久保記念館1階には「真岡木綿展示室」があります。

「真岡木綿とは何ぞや?」と思われる方も少なくないかも知れませんので少し説明をしますと、真岡木綿は江戸時代に隆盛を極め、「絹のよう」と称賛されるほどの品質で、真岡と言えば木綿の代名詞になったほどだったそうなんです。

ところが近代になり海外から安い木綿が大量に入ってくるようになると真岡の木綿産業も衰退し、一度はその技術は途絶えてしまいました。

そして昭和61年に真岡商工会議所が中心となって復興したのが現在の真岡木綿です。

この真岡木綿、交流館のすぐそばにあります「真岡木綿会館」で工房の見学ができます。

トントンカラリトンカラリと軽快な機織の音色をその耳で聞いてみて下さい。

事前予約をすれば、簡易の機織体験もできますよ。(有料)

 また、木綿会館のお隣には、かつての木綿問屋「岡部呉服店」の別荘として建てられた「岡部記念館〝金鈴荘〟」があり、こちらも見学することができます。

2月にはこの金鈴荘で雛の展示が見られる催しもありますよ。

少しレトロで、どこか懐かしい、そんな真岡をぜひ見て体験して下さい!

【久保記念観光文化交流館】
 住  所:〒321-4305 真岡市荒町1105番地1
 電  話:0285-82-2012(真岡市観光協会)
 営業時間:9:00~17:00
 定休日 :毎週火曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
 ホームページ:https://www.kubokinen.net/

【真岡木綿会館】
 住  所:〒321-4305 栃木県真岡市荒町2162-1
 電  話:0285-83-2560
 営業時間:10:00~17:00(工房見学 ~16:00)
 定休日 :毎週火曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
      ※体験は、3日前までに事前予約が必要です。
 ホームページ:http://www.mokamomen.com/

【岡部記念館“金鈴荘”】 
 ※平日は木綿会館からお入りください。
 営業時間:【建物内部の開館・見学案内時間】
      10:00~12:00、13:00~16:00(最終入館時刻)※12:00~13:00は閉館
      【庭園や庭園からの建物外観見学時間】
      10:00~16:00

この記事を書いた人

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昭和製・真岡市産・真岡市在住・両親とも真岡市民の血統を持つ生粋の真岡市民です。
長年真岡にいながら、大人になるまで真岡の真の魅力に触れずに過ごして来たので、この機会に様々な真岡の魅力を発見していきたいと思っています。
よろしくお願いします。

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