温泉 第1章 益子の民芸と那須の温泉レトロ旅 Day2
翌朝はのんびり起きて、ゆっくり準備。
贅沢な宿の一夜。
「来られてよかったね~」
「今度は新緑の季節に来ようね」
とふたりでうなずき合います。
そう、温泉は冬だからこそ一層楽しめましたが、森の中のお宿なので緑が見えたらな~、と思ったので。また次回を期して、宿を出立します。
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10:00
栃木県最古の温泉「鹿の湯」
洋服で出たのは、評判の温泉、鹿の湯へ行くから。
なんと千三百年も続く温泉で、鹿が傷を癒やしているところを発見したそう。
昭和16年に建てられたひなびた木造建築から硫黄の香りが漂ってきます。いっぱい貼られた千社札もいい感じ
お湯には「41度」「42度」「45度」と温度別に湯船があり、回っている人もいます。
私たちは42度まで。それで充分。
一緒に入った方は千葉から4時間も運転して、毎週3回も入りに来るそうです。
「え~~~~!? すごいですね」
「でもね、ここの湯は違うのよ。本当にいいから」
確かにすぐに温まり、出てからもずっとポカポカ。
何時間たっても肌からほのかに硫黄の香りが。フワンとした香りをかぐたびに、温まる気がしました。
広めの脱衣所で着物を着て、レッツゴー。
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12:00
栃木の食材で世界の料理を表現「Restaurant cu-eri」
ランチは、地産地消の食材を使用し、フレンチをはじめ、さまざまな国の料理が楽しめると話題のレストラン「Restaurant cu-eri」 へ。
まるで絵本の世界にでも出てきそうな、かわいい佇まいのカフェレストラン!
ワクワクの私たち
天井から吊り下げられたドライフラワー、飾られた瓶や置いてある箱、どれもめっちゃかわいくて、すごくお店になじんでいる!調理にも使用するという暖炉もまた、良い味を出しています。私はクレープ、そめおりさんはローストビーフを。
私のメイン料理のクレープは、サクッとした外側としっとりした内側のバランスが絶妙でした。
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13:00
料理や雑貨で北欧を感じる「フィンランドの森」
しっかりお腹を満たしたあとは、近くの「フィンランドの森」へ。
かわいいお店が並びます。寒いので、そめおりさんは帽子をかぶって。
ストーブのお店やパン屋さん、チーズ屋さん、そして北欧雑貨屋さんも!
アツアツのチーズフォンデュ、おいしそう~。フィンランドと那須ならでは? ストーブ博物館
キャラクターのかわいい食器に心ひかれながらご主人とお話すると、
「1月2月は本当に寒いけれど、その寒さがいいんだよね」とのこと。
東京からこの地の自然にひかれていらしたそう。
季節ごとのよさは、ここで暮らしてはじめて感じるもの。土地に根ざすってこういうことかと実感。
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15:00
御用邸チーズケーキで有名な「チーズガーデン本店&しらさぎ邸」
近くの林で緑のある季節を想像しながら「チーズガーデン本店」へ。
ここは那須の「御用邸チーズケーキ」が有名。那須といえば御用邸、と思うのは私たち世代!?
他にもいろいろな種類のチーズケーキやチーズ風味のフィナンシェ、チーズクッキーがズラリ。
スイーツをいただきたくなった私たちは隣接する「しらさぎ邸」へ。ゆったりした椅子、木を生かしたインテリア。 テラスそばの席もすてき。広くて散策できる庭。
私はここでしか食べられないできたての「生チーズケーキ」を。ふわっと柔らかく、トロリとくちどけ。ブルベリーもぴったり合います。
そめおりさんは「おなかいっぱいなのに」といいながら「三種のチーズケーキ」を。
食感も味わいもそれぞれ違って、あきない!
少しずつ味見しながら、食べちゃいました。
ランチメニューがとってもおいしそうだったので、次回はランチもいいな。
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16:00
那須高原の名物!温泉饅頭「御菓子司処 明治屋」
おなかも心も満ち足りて、帰途につく…前にもう1軒。
「ここは絶対行くといいよ」と、以前那須に行った友人が教えてくれた温泉饅頭のお店「御菓子司処 明治屋」。
「温泉饅頭ってどこも同じじゃないの?」と聞くと
「ここは、なんか違うんだよね」と。よくわからないけど。
そめおりさんに聞いてみたら
「せっかくだから行ってみようか?」黒磯駅のすぐ近くのそのお店、歴史を感じさせる風格は、まるでタイムスリップしたみたい。
「確かにちょっと違うかも」
中に入ると、こだわりがそこここに感じられます。すべて無添加で、「よけいなものは一切入っていません」と胸を張る店員さん。
その場で買ってひとついただくと、確かに
「おいしい!」
「ちがう!」
餡と皮が一体化していて、ふわ~っと柔らかく口の中で溶けます。あと口もサラリ。
ふたりともお土産にし、かわいらしい包み紙のボッカも買いました。
懐かしいふわふわのお菓子。中に那須のフレッシュバターが挟んであって家でいただいたらおいしかった。家族にも喜ばれました。温泉に入って、器も見て、おいしいものもいっぱい食べて、お土産も買って・・・
名残惜しいけれど、旅もおしまい。
「楽しかったね!」
「また来ようよ」
帰りの新幹線の中でも
「益子の町ももっとゆっくり見たかったね」
「器屋さんめぐりした~い」
「陶芸体験もしてみたい」
「那須高原の野菜はおいしかったね~」
「お肉も、チーズケーキも」
「温泉も最高だったし」
「ほかの温泉もよさそう」
思い切り楽しんだのに、次はどこへ行くか何をするかで盛り上がりました。
栃木は東京から近いのに、あまり足を伸ばしていなかったことに気がつきました。
2時間くらいで東京に戻ってきたのに、ずーっと遠くから帰ってきた気分。
でも宝物のようにすてきな場所や物がたくさん見つかりました。
私たちの宝探し、これからも続けます! ありがとう、栃木。
ROUTE MAP

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後藤千鶴子、吉田美保子
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19××年生まれ。長年雑誌編集者で、現在は校正&ライター。
着物でアート(美術展、コンサートほか)を見に行くのが趣味。
吉田さんは50代の染織家。https://www.someoriyoshida.com
※撮影日:2024年12月17日~12月18日
※掲載されている情報は2025年2月14日現在のものです。内容の変更等でご利用できない場合がありますので、あらかじめ出発前にご確認ください。